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2025.10.28
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日経平均5万円超えと不動産価格の動き

いつも大変お世話になっております。
大阪・心斎橋を拠点に事業用・収益不動産の売買仲介を行っております、株式会社ビーメインの木戸です。

11月末の決算を控え、少し慌ただしく過ごしておりましたが、その間に日経平均株価がついに5万円を突破しました。ニュースでも大きく取り上げられていますが、実際の不動産市場にもその影響が見え始めています。

あるデータによると、東京都における「日経平均株価」と「マンション成約単価」の相関係数は約0.93とされ、非常に強い相関があるとのことです。
つまり、株価が上昇すれば不動産価格も上がる傾向が強いということになります。


建築費の上昇と土地仕入れの現実

これは以前からですが、デベロッパーの方と話をしていると、「土地価格」と「建築費」の上昇を口にされることが多いです。
大阪市中央区など人気の高いエリアでは、一棟収益マンション用地の仕入れ価格が1種単価200万円を超えるケースも出てきています。
さらに建築費も上がり、仕様によっては専有坪単価200万円を超えることも珍しくないとのことです。

仮に土地を“0円”で仕入れたとしても、専有面積あたりの建築費だけで坪200万円がかかる計算です。
そこに土地代や利益などを加えると、分譲マンションの専有坪単価は最低でも300〜400万円に達します。
仮に専有坪単価を350万円の場合、70平米3LDKのマンション価格は約7400万円となります。
土地を0円とした場合の、70平米3LDKのマンション価格は利益が乗っていない原価で約4200万円となります。

一棟収益マンションでは、同じように土地を“0円”で仕入れたとしても、事業収支を考えると、賃料坪単価8,500円前後が必要になるということです。

たとえば、建築費が坪200万円とすると、約20㎡(6坪)1部屋あたりの建築費は1,200万円です。
土地代を0円と仮定し、賃料単価8,500円の場合、
8,500円 × 6坪 × 12か月 = 612,000円/年の賃料となり、
612,000円 ÷ 12,000,000円 = 約5%。
つまり、土地代が0円でも、坪あたり8,500円の賃料が取れなければ採算が合わないということです。

結果として、新築で賃料坪単価8,500円を確保できないエリアは敬遠され、中心地への建築集中が進みます。
さらに、その影響で中心地の賃料上昇が周辺エリアにも波及し、今の建築費でも採算が取れる水準まで周辺部も賃料が上昇していく構図が見られます。

※上記建築費はRC造の場合です。


賃料はこれからどう動くか

これまで住宅賃料は景気の影響を受けにくいとされてきましたが、インフレ傾向が続く現在の環境では、過去と同じとは言い切れません。
家賃の上昇には遅効性があり、一般的には2年ほどかけて反映されるといわれています。


エリア選定がより重要な時代へ

円安の影響で、日本の賃料は海外から見ると以前より割安な水準にあります。
2011年には1ドル=約80円でしたが、現在は約150円。
単純に比較すれば、為替換算ベースでは日本の不動産は半値近い印象になります。
このため海外投資家の関心も高まっており、今後は「需要の強いエリア」と「そうでないエリア」の格差がより明確になっていくでしょう。

人口減少社会の中では、「どの場所で、どんな物件を持つか」がますます重要になります。
需要の確かなエリアを見極めることが、不動産投資の安定につながる時代になってきたように感じます。

私が不動産業界に入って間もない頃、リーマンショックを経験しました。
当時は多くの不動産業者で融資が止まり、市場全体が一気に冷え込みました。
不動産価格は急落し、竣工したばかりのRC造一棟マンションが利回り10%前後で取引されるなど、まさに投げ売りのような状況でした。
今後の経済がどのように動くかは分かりませんが、いずれにしても注意深く見ていく必要があると思います。

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