「どう活かすか」で変わる、物件の見え方

こんにちは。株式会社ビーメインの木戸翔太です。
今日は朝から、京都府南部にある一棟ビルのご案内に行ってきました。
売主様から売却のご依頼をいただいている物件で、何組かのお客様をご案内させていただいています。
本日ご案内した検討者様からは、お話のトーンとしても、前向きにご検討いただけそうな印象を受けました。
今後、話が進んでいくのではないかと感じています。
築年数が経過したビルと、駅近という立地
ご案内した物件は、駅からの距離も近く、敷地の広さも十分あります。
接道も良く、立地的な魅力はしっかり感じられる物件です。
一方で、築年数はそれなりに経過しており、建物の傷みも目立ってきています。
稼働率もそこまで高くなく、現状の収益性としてはインパクトのある数字ではありません。
過去には「更地であれば買いたい」というご相談もいただいてきましたが、
現状は入居者様もいらっしゃるため、即時に開発へ移行するのは現実的ではありません。
そのため、一定の視野と時間軸を持った方でなければ、なかなか購入には至らないような背景がありました。
将来を見据えた“保有”という視点
現状の数字だけで判断するのではなく、
どのように改善して、将来にわたって収益を高めていくかという視点がポイントになる物件。
立地や敷地条件を踏まえ、テナント構成や稼働率の改善によって中長期的に保有する。
そうした意図を持った買主様だと感じました。
最近ではこうした「改善を前提に保有する」という買い方が、少しずつ増えてきているように感じます。
スペックそのものではなく、“どう活かすか”という視点で物件を見ている方が増えている印象です。
不動産の価値は、誰がどう使おうとするかによって大きく変わります。
リードタイムの取り方や事業計画の描き方によって、まったく違うものに見えてきます。
別件では開発前提
別件で現在、大阪市内で進行中の仲介案件があります。
旧耐震のRC造のファミリータイプ物件で、エリアとしての人気も高く、賃貸需要も安定しています。
この物件に関しては、買主様は「今の収益性」よりも、
近い将来に建て替えを含む事業計画を前提としてご検討されていました。
エリアとしてのポテンシャルや敷地条件などをふまえ、
中長期の保有ではなく、一定のタイミングでの事業化を見据えた取得という位置づけです。
こういった「将来を考えた視点」で動いている方が少しずつ増えているように感じています。
タイミングと視点が噛み合うとき
話がテンポよく進むときというのは、
物件の条件と買主様の事業観・判断軸が自然と噛み合っていることが多いです。
不動産はスペックや数字で語られることも多いですが、
実際の現場では「タイミング」や「相性」、そして「どう活かすか」の視点が非常に重要だと感じます。
今回のように、物件の特徴を正しく受け止めたうえで、
自分の中の計画と重ねて前向きに判断される方とご一緒できるのは、仲介としてもありがたいことです。
不動産は、同じものが二つとない世界。
だからこそ、「どう使っていくか」を真剣に考える人と向き合っていく仕事は面白く、やりがいがあります。
今日もひとつ、学びのある一日でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。