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2025.5.07
コラム

キャッシュフローの本質について

お世話になっております。株式会社ビーメイン代表の木戸翔太です。

本記事では、不動産投資における「キャッシュフロー」の基本的な考え方と、その見える化の手法として知られる「キャッシュフローツリー」について、実務での経験をもとにシンプルに解説してまいります。

数字に基づいた判断が求められる時代において、表面利回りだけでなく、実際に手元に残るお金=キャッシュフローをどう捉えるかは、不動産投資の根幹とも言える視点です。

不動産投資における「キャッシュフロー」の本質

不動産投資で成功するには、単なる表面利回りの高さではなく、最終的に自分の手元にいくら現金が残るか、つまり「キャッシュフロー」が非常に重要です。

「満室想定表面利回り」が非常に高い水準であっても、空室損、運営費、ローン返済などを差し引くと、実際の手残りがほとんどないというケースも多く見られます。そのため、収益物件を正しく評価するには、キャッシュフローを“見える化”する視点が欠かせません。


「キャッシュフローツリー」とは?

キャッシュフローの構造を段階的に整理したものを「キャッシュフローツリー」と呼びます。これは、CPM®(米国不動産経営管理士)の理論の中核を成す考え方で、投資用不動産の運用分析には欠かせないフレームワークです。

以下の図は、賃貸経営における収入と支出の流れを簡潔に表したものです。

〇 総潜在収入(GPI)
- リース損(フリーレント・相場からかけ離れた賃料など)
- 空室損・未回収損(空室リスク)
= 純賃貸料収入
+ 雑収入(駐車場・水道代など)
= 実効総収入(EGI)
- 運営費(OPEX)(管理費・各種点検費・保険料・固都税など)
= 営業純利益(NOI)
- 借入返済(ADS:元金+利息)
= 税引き前キャッシュフロー(BTCF)

この構造を理解することで、家賃収入が実際の利益になるまでの流れを数値で把握でき、投資用物件の健全性をより正確に評価できます。


どこをチェックすべきか?

キャッシュフローツリーを使えば、収入から支出までの流れを可視化し、収益構造の“クセ”を読み取ることができます。

たとえば、満室時の総収入(GPI)から空室損やリース損を引いた実効収入(EGI)を知ることで、想定と実績の差を数値で把握できます。

そこから運営費を引いたNOI(営業純利益)は、融資条件に左右されない純粋な物件の収益力を示すため、他物件と比較する際にも有効な指標です。また、自身の経験や努力で運営費をコントールして、NOI(営業純利益)を更に上げることが出来るかなどの検証にも有効です。

さらに、借入返済(ADS)を差し引いたBTCF(税引き前キャッシュフロー)は、実際に手元に残る現金を意味し、ローン返済の重さや投資効率の妥当性を判断する材料になります。

またこのフローを応用すれば、ローン定数(Loan Constant)、CCR(Cash-on-Cash Return)、DSCR(債務返済比率)、運営費率(Operating Expense Ratio)など、さまざまな不動産投資指標を導き出すことができます。これらは収益性やリスク、資金繰りの健全性を定量的に判断するための重要な指標です。


ビーメインが大切にしている視点

株式会社ビーメインは、収益不動産・事業用不動産の仲介に特化した会社です。投資家の方が「納得して物件を選べるようにすること」を大事にしています。

代表の木戸翔太は、CPM®とCCIMという国際的な不動産資格を学び、現場での経験と分析の力の両方を磨いてきました。

理想的な物件ばかりをご紹介できるわけではありませんが、数字と現場運営実務の両面を理解して投資判断できる力が大切だと考えています。

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